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    僕は臆病だから起業した

     年々、起業のハードルが下がってきているので今だと「20代で起業した!」なんて人はたくさんいるので珍しくもないですが、僕が起業したころは20代で起業している人はほとんどいなくて珍しがられていました。

    なので、友人や知人などから起業の相談を受けることも多かったし、「なんで起業したの?」と質問もよくされてました(今もされるけど)。

    その度に、「元々、興味があったから」とか「起業して稼ぎたかったから」などとありきたりなことを周りには言っていましたが、

    本当のところは、「臆病」だから起業したんですよね。

     

    というのも、

    僕自身、昔から人を信頼していないわけではないんですけど、期待していない部分があって、「自分のことは自分でどうにかしないと」とか「最終的に頼りになるのは自分だけ」って思って生きてきたところがあり、「自活心」みたいなものが人一倍強かったんです。

    なので、中学生の頃から護身のためにとキックボクシングを習おうとしたり、法治国家で生きるためには法律の知識が必要だと勝手に思い込み、法律の勉強をしようしたりしていました。

    結局、サッカーが忙しすぎて実現しなかったんですが(笑)。

     

    この考えは社会人になってからも変わらずで就職活動の時も仲のいい友人は、「大企業」「公務員」「最低でも上場企業」に就職したいと言って就職活動をしていましたが、僕は早くから活躍できて成長できる環境、要は、「自活力」を鍛えられる場所を求めていたのでベンチャーしか受けていませんし、結局入った会社も当時創業5年未満のベンチャー企業でした(結局、半年もいませんでしたが)。

     

    振り返ってみると、これまで自活力を鍛えるためにいろいろやってきましたが、結局のところは臆病なんですよね。

    臆病だから少しでも厳しい状況、難しい環境に身を置くことで力をつけ、自分なりのリスクヘッジをしてきたんだと思います。

    結局、頼りになるのは自分だけだと思っているところがあるので。

    だから23で起業したときも「このまま会社にいても力はつかないし、将来にわたって雇用される保証はない」と思って、起業したんですよね(ほかにも理由はありますが)。

     

    今思えば、「思い切った行動をしたな」と思いますし、「親もよく止めなかったな」とも思いますが、結果、起業して良かったと思っています。

    起業したことで良くも悪くも自分に結果として返ってくるので納得感がありますからね。

    会社員のときは、頑張ろうが頑張らなかろうが、自分が関与していないところで全てが決まってしまうので上手くいっているときはいいけど、仮に会社の業績が悪くなって、「リストラです」「倒産です」なんて言われても納得できなかったと思います。

     

    でも起業した今なら仮にコケたとしても自分の力不足だと思えるし、納得できるのでそこの違いは個人的にすごく大きいかなと思っています。

    起業してからも多くの経営者の方と出会い、いろいろ勉強させてもらいましたが、そのなかには、「この社長の元で働く社員は本当に可哀相だ」と思ってしまうような経営の仕方をしている経営者もいました。

    結局、経営者も人間なので自分が一番可愛いのはしょうがないんですが、「自分だけが生き延びられれば、ほかはどうでもいい」なんて経営をしている方もいてビックリしたんですが、最近のニュースなんか見てみると大企業も責任をとらされるのはいつも末端の人間で本来、責任を取るべき上の人間(役員陣)は生き延びるみたいなニュースを見て、「どこも変わらないんだなー」と思ったりしています。

     

    あ、一応付け加えておくと、社員のことを第一に考えている素敵な企業経営者もいますからね。

    念の為、言っておきます。

     

    ただ、ここで僕が言いたいのは結局、「国も企業も社員(あなた)のことなんかこれっぽちも考えてないよ」というのを知ってほしいんです。

    高度経済成長の時のように国が右肩上がりで成長している時は国が面倒見てくれただろうけど、ご存じのとおり、そんな状況じゃない。

    悲しいですが、どんどん日本は衰退している。

     

    今後は、長く緩やかな衰退の時期が訪れるので国なんかあてにならないんです。

    企業も一緒で最近はリストラや買収ニュースばかりなので嫌でも痛感していると思いますが、どこの企業も正直、厳しい。

    僕の周りは比較的上手くいっている経営者の方が多いですが、日本企業の今後の話になると悲観的な見方をしている経営者がほとんどです。

     

    あと、最近は人手不足から売り手市場だと言われていますが、これは早い段階で買い手市場に変わるのではないかと僕は見ています。

    というのも、現在多くの中小企業は人手不足が深刻化してそれが原因でつぶれる企業や店舗なども出ています。

    でもそれもある一定の段階を過ぎれば、収束するはずですし、多くの経営者はこの経験から「どうやったら人を使わずにやれるか?」に思考がいくはずで、元々、人件費をどうにかしたいと思っている経営者は多いのでなんらかの動きがあるはず。

    米国では、アマゾンGOがシアトルにデビューして話題になっていますが、今後はAIやロボット、移民なども入ってきて、そこと比較される「買い手市場」が訪れるという展開はあるだろうなと思っています。

     

    未来予測は当たらないことが多いし、僕も当てにしませんが、ひとつだけ間違いなく言えることは僕たちは今まで比較にならないくらい労働寿命が伸びる世界を生きていくってことです(この話をすると、BIの話をされる方がいますが、将来的には実現するだろうと思いますが、僕が生きているうちはないと思っています。その辺りはまた違う機会に話します)。

    今でも年金だけでは生活できないので定年退職後に働いている人もいますが、今後は支給額も下がるし受給開始年齢も年々、上がっていくことは間違いありません。

    そうなったときに自分の雇用を守れるのは自分だけなんです。

    いい人間関係を築くには信頼し合うことが大事なのであなたが大事だと思う家族や友人などとはこれからも信頼し合い、いい関係性を築いていってほしいと思いますが、

    国は国の論理で、企業は企業の論理で動いているのでそれを踏まえた上で向き合っていてほしいなと思います。

    「信頼していたのに裏切られた!」なんて言っても助けてはくれないですから。

     

    それでは、また!

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